44 トメの冤罪

 

   母ちゃんの右耳の鼓膜は破れていた。 1年近く、よく聞こえないのを放置、先日初めて耳鼻科の診療を受けて、わかったのである。 大の医者嫌いだから「そのうち治るさ」とタカをくくっていたら、親切な同僚からすぐに医者に行くようにと忠告をいただいた。 本当に親身になって強く言ってくださった。 

  クルマは洗ったことがないくせに耳掃除は大好きだから、自分で鼓膜を突っついて傷を作ったんだろう。 幼猫時代のトメがよく前足を突っ込んで、「コラ、鼓膜が破れたらオマエのせいだぞ」と言われていたが、外耳から鼓膜への距離・耳管の直径を考えると、犯人がトメである可能性は薄い。 トメにとっては、とんだ冤罪と言うものだ。
 

  鼓膜が破れているうえに、その奥が化膿しているものだから、膿を器械で吸い取る音がチュルチュルジュージューと激しく脳に響き渡り、母ちゃんの乏しい脳細胞がまた何万か死滅した。 折しも、耳鼻科医院はインフルエンザの予防接種をするお子様・受験生でごった返し、我儘な子供患者とその親が受付で繰り広げるトラブルなども見聞し、ああ、世はまさにモンスター・ペアレンツ(親)&モンスター・ペイシェンツ(患者)の時代なんだな、と実感を抱いて、母ちゃん帰宅。
     

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