母ちゃんはカード類が嫌いである。 銀行から金を下ろすためのカードだけは仕方なく持っている。 が、買い物や外食や旅行の費用をクレジットカードで済ませたり、交通機関でスイカとかパスモとかいうカードを使ったりすることはないようだ。
要するに現金のやり取りでないと気分がスッキリしないのかなあ。 目に見えないところで金が動くことがイヤなのだろう。 それでも、この偏屈の母ちゃんが月に2・3度電車に乗ることがある。 公私共によんどころない事情で、だ。 その際、切符売り場でもたついて、1~2分のロスを同行者に強いることがあり、その時ばかりは、「申し訳ない」という気分にならざるを得ない。 同行者の多くは、母ちゃんのことが分かっているから、「仕方ないなあ、またか~」と寛恕の精神で待って下さる。 「私がスイカやパスモを持っていないばかりに皆様にご迷惑をおかけしております」と、母ちゃんは謝る。
しかし、母ちゃんは思う。 本当は券売機だってイヤなのである。 どんな仏頂面の駅員でもいい、人間のいる窓口でキップを買い、人間のいる改札を通りたい、と。 だから、クルマにもETCは付いていない。 高速道路の料金所のオジサンに直接お金を渡したい。
これらの母ちゃんの私見については、ムカつく人が多いことだろう。 混雑や渋滞を回避するために設けられたシステムというから、協力しない人間は時代の流れに逆行する愚か者として淘汰されていくのかも知れない。
でもね、それとは分野が違うけど、後先考えずにカードで買い物して、幻の消費大国を築いていた某国の経済危機を目の当たりに見ると、猫のオレだって心配になるんだ。 万物の霊長たる人間サンの真骨頂や、如何に?
←ご覧になってからここをポチッと
←押して下さると嬉しいです。
←ありがとうございました