「地震、雷、火事、オヤジ」の中のオヤジはとっくの昔に権威失墜してしまったけれど、残る三者は依然として我々を脅かしている。 地震・火事のもたらす惨状は言うまでもないが、雷サマの害はあまり表面に出てこない。 めったにないが、いったん暴れるとコワイ。 犬はとりわけ雷を怖がるし、池波正太郎先生の時代小説では、れっきとしたサムライでさえも、雷のせいで惨めな姿をさらしてしまう場面がよく出てくる。
実は私は、夜空を引き裂く稲妻を美しいと見惚れていたりする, 相当可愛げのないオンナである(もちろん、人命や家屋に被害が及んだ場合は別)。 我が家の同類のオンナども(雌猫達)も、今までは雷鳴の轟きに動揺するようなことはなかったので、こんなものかとタカをくくっててきた。 しかし、10日前の夜。 激しい雨が降ってはいたが、私の足もとでは、3匹の猫達が平和に晩御飯を食べていた。 その時、「バッキーン!」という、すぐ近くに雷が落ちたような音がした。 瞬間、3匹は、全く違う3方向へ逃げ散った。 0,5秒の出来事である。 まるで三菱のマークのように逃げる方角が分かれていたのが、可笑しくてしようがなかった。
臆病な犬とは違って、猫はずうずうしい生き物と思い込んでいたが、食事時などに不意を襲われると、このように醜態をさらすこともあるんだなあ。 そして、3匹はそれぞれ棚の上などで顔洗いを始め、動揺を隠そうと懸命になっていた。(猫がこういう時毛づくろいをするのは周知の事実だ) ←ご覧になってからここをポチッと
私がのぞきこむと、「ちっ。こっち見るんじゃねーよ」という表情で睨み返されたものである。
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