ちびのフミフミ

  我が家の猫・ちびは、推定6歳、人間で言えば立派な中年女である。それが時折、寝転んでいる私の腕を、前足2本でリズミカルに踏む。
「うわ~い、無料マッサージだ」
と最初は喜んでやってもらっていたのだが、ある時ふと気がついて、ちびが哀れになった。
  ちびを拾ったのは生後2ヶ月も経っていない頃。母猫の暖かいふところからもぎ取るようにして捨てられたのだろう。猫の子は母親の乳房を揉んで乳の出を促しながら飲むので、その仕草がインプットされたまま、オトナになったのだ。だから、飼い主と共にいてリラックスできる状況にあると、無意識に前足が動いてしまう。飲み足りなかった母猫の乳を、いまでも恋うているのだ。
 
  人間の若い母親で、子供を虐待しているヒトに言いたい。これほど深く、子は無条件に母親を恋うのですよ。動物は、子が独り立ちできるまで、体を張って子を守り育てます。人間だけです、自分の都合で放棄したり殺したりするのは。歴史上、そして今も、子を育てにくい環境があるのは事実です。子を持たぬ私がエラソーな事を言っているという、後ろめたさもあります。でも、虐待されてもなお、母親を悪く言わない、言おうとしない子供が多いのは何故でしょう。
 
  もちろん、虐待と「厳しい躾」とは違います。私は子供を甘やかすのは大嫌い。昨今、子供の言いなりになってべたべたに甘やかすか、ヒステリックに虐待をするか、どちらかの両極端が多いのを嘆くばかりです。

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