長男・長女性格

  夏も長けてくると、よせばいいのに、我が家の狭いベランダに舞い込んでくるトロい蝉がいる。3匹の猫どもが固唾を呑んで待ち受けているのだから、たまらない。いくら母ちゃん(私)がガードを強化したって、洗濯物を干す時などはスキだらけだ。今朝もガラス戸をあけた瞬間に、とめがダッシュ、蝉をくわえて意気揚々。すかさず私が奪い取って放したものだから、ヤツは激怒し、狼のように咆哮したあげく、カーテンの束ね紐を食いちぎり、私のタオルケットにおしっこを垂れた。
 
  彼等の狩猟本能を満足させてやれないことについては、常に後ろめたさがつきまとう。私だってノラや半ノラの蝉なら奪わない。生き抜くための糧でもある。しかし、日々の食が足りている飼い猫どものオモチャにはさせられない。何年間も土の中にいて、やっと地上に出てきた蝉たちが、たった1週間の命を謳歌しているのだから。
 
  面白いのは、とめのワルサに対するぶんとちびの行動だ。私がとめの顔をタオルケットに押し付けて叱るのを見た後で、とめを追い廻し、「しゃーっ」と威嚇して猫パンチ。「オマエが悪いんだよ、オマエが」「母ちゃんに迷惑ばっか掛けてさ」と言わんばかりだ。これは、長男・長女をもって自ら任じている彼等2匹が、「母ちゃん、俺たちからも叱っておいたからね。もうさせないから安心して」と私に助太刀しているようで、妙に可笑しい。
 
  人間の子の場合も同じだが、叱るにはエネルギーが必要だ。昨今は叱る気力も無いオトナが多い。この厄介な仕事の一端を引き受けてくれる2匹に感謝、感謝の母ちゃんである。

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