米国に史上初の黒人系大統領が誕生した。 世界中そのニュースで沸き立っている。 だが、母ちゃんには疑問がある。 白人過激派がオバマ氏を狙撃するのではないか。 何百年にもわたる人種差別のしこりは払拭されたのだろうか。 奴隷制度が廃止されてもなお、黒人を人間のうちに入れない酷烈な差別意識は長年温存されてきた。 母ちゃんはそれを、身近な人々(米国から日本を訪れたアジア・アフリカ系の人々)の中に感じ取っている。
米国の経済事情が危機に瀕し、多方面で追い詰められた国民感情が、「誰でもいい、この国を変えてくれる人物なら」と、単なる現状拒否に走ったのではないか。 白人の心の奥底の差別意識を封じ込めるほど、このたびの金融危機によるショックは大きかったのであろう。 これを機会にかの国の民には、好き放題にやってきた浪費生活、また、この機会に言わせてもらうなら環境破壊まで、いろいろ考え直してもらいたい事が多いのである。
ところで、オレたち猫にはわからないよ。 どうして人間社会には、肌の色なんかで差別が生じるんだ? オレたちの毛色は、日本猫だけ見ても、白、黒、三毛、キジ、サバ、千差万別。 これに外来種、それらとの雑種も混じって、まあ、ハッキリ言って訳分かんない状態だよ。 でも、毛色が違うからって、喧嘩したりって事はないなあ。
人間世界では、白人が発明した鉄砲その他の近代兵器(近くは原爆)をもって、肌色の違う他人種を蹂躙し尽した、という愚劣きわまる行為が歴史に刻まれるだろう。 日本はその点、同じ肌色のアジアの人々をひどい目に遭わせたという負い目もあるが。
オレたち猫の武器は猫パンチと猫キックだけだよ。 人間はホント、救いがたい生き物だなあ。