42 猫の言い分

 

   「こたつから猫もあきれて顔を出し」
有名な古川柳である。 こたつで暖まっている男女が、他人に見えないのをいいことに、中で手を握ったりしてイチャイチャしている。 それを猫の立場を借りて、誰かがやっかんで詠んだものに相違なかろう。 
 

   猫は昔から日本庶民の生活に寄り添って生きてきたので、文芸上でも多方面に引用されている。 しかも、不名誉な引用が多い。 
①「猫の手も借りたい」→  忙しい時は有能でない者にも仕事を振りたいほどだ
②「猫の額ほどの」  →  狭い庭
③「猫の目のように」 →  ころころ方針を変える
④「猫ばば」       →  他人の金をくすねること
  

   要するに、悪い事・不都合な事の基準を、全部オレたち猫に振って、しゃあしゃあと暮らしているのが人間サマだよ。 オレたちは本当は有能な狩人なんだけど、ヒマな時は人間がうらやむほどリラックスしてるから、それを羨んだ人間どもがこんな慣用句をひねり出したんだ。
 

   上記の語句だって、②以外は、どこかの国のおえらいサンたちに当てはまると思うんだけどね。 もっとも、庶民は②さえも得られないのが現状で、従ってオレたち飼い猫の多くは、ウンチを埋める自然の土など見たことがなく、工業製品の猫砂や木のチップに頼っているのが現状である。

    

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