母ちゃんの朝は早い。 5時40分起床。 洗顔歯磨き等、自身の身繕い必修項目に加え、ベランダの植物の世話、オレたち猫の世話、その他イロイロある。
植物だって生き物だ。 とりわけ、毎日の天候に左右されることが多い存在なのである。 土の状態を見ながら水をやり、部屋に戻ると、オレたち猫族が食事を催促する。 3匹それぞれの動き、声、食欲を確認して、健康チェックが終わる。 それから猫トイレの始末。それで十分じゃないかと人様は言われるであろう。
ところがどっこい、そうは問屋が卸さない。 母ちゃんが仕事でいない間、ウチの中で起こりうる、あらゆる「惨事」を想定して、母ちゃんの気苦労は絶えることがないのである。 まず、各種家電の電源を切る(冷蔵庫以外)。 我々が電気コードにじゃれついたら感電・発火の危険性があるからだ。 次に、ビニールや輪ゴムなど、異物誤飲の可能性のあるものも排除。 さらに冷蔵庫のドア(4つある)を布ガムテープで固定。 何年か前の夏にオレが勝手に冷凍室を開けて、氷を食ってたのを、母ちゃんは絶対に忘れないのだそうな。
これだけ神経を使って家を後にする母ちゃんだ。 きっと職場に着く前に疲れ果てているに相違ない。 だからオレは最近、玄関を出て行く母ちゃんのホッペを「ご苦労さん!」と引っ叩いてエールを送っているのだが、ご本人は「また猫パンチ食らった」と迷惑そうによそで話しているらしい。 猫の心飼い主知らず、だね。
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