54 黒猫のタンゴ

 

   先週、ある民放ラジオで、平日の夕方から昭和の歌大特集みたいな番組をやっていた。 その時々の流行歌と共に、昭和の時代のさまざまな出来事を、当時のニュース音声を再生して振り返ってみる企画である。
 

  東京オリンピック、ビートルズ来日、人類初の月面着陸、浅間山荘事件、大阪万博、長嶋茂雄の引退、石油ショックなど、いろんな事があったなあ。 ピンクレディ、キャンディーズ、沢田研二、サザン、松田聖子、時代を代表するような歌手も沢山いたなあ。 単発だけど、「泳げ鯛焼きくん」のように面白悲しい歌、「黒猫のタンゴ」のようにひたすら可愛い歌もあった。
 

   帰宅途中のクルマの中で、母ちゃんは懐かしい音声に我を忘れた。 母ちゃんが子供から大人になっていった時代と、昭和の高度経済成長期が一致しているから、よけい思い入れが深いんだろう。 もちろん不幸な出来事もあったけど、あの頃はみんなで乗り越えて頑張ることが出来た。 メリハリのある、躍動的な時代であった。 誰の歌も歌詞がハッキリしていて、メッセージをきっちり受け取ることが出来た。

   今。 今はなんだろう。 なんだか先の見えない長くて薄暗いトンネルに入ったまま、みんな酸欠状態になっている。 そんな空気の中でうたう歌手の力量は昔よりずっと上がっているのだろうけど、歌詞がよくわからない。 何を言いたいのだかわからない。 これって、母ちゃんが歳をとった証なんだろうな。 オレ? オレはもちろん、「黒猫のタンゴ」が一押しだよ。

   

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