先日の夜、母ちゃんが嬉しそうにLPレコードを回して、60年代~70年代のアメリカの音楽に聴き入っていた。 ウチにはそんな古いモノを鳴らす器械があるのだ。 くるくる回るので猫にはかっこうの獲物、じゃれついて遊びたいのだが、テキもさるもの、ぴたりと蓋をしてオレたちをシャットアウトしてしまった。
母ちゃんが聴いていたサウンド・オブ・サイレンス、スカボロー・フェア、ミセス・ロビンソンなどの曲には、せつない思い出がこびりついている。 母ちゃんがまだいたいけな小学生であった頃、母親に連れられて「卒業」というアメリカ映画を見に行った。 ところが、有閑マダムと独身青年の織りなすきわどい場面(現代なら何でもないのだろうが)があったりして、事前情報不足の母親は狼狽の極致。 また、その頃の子供は親と一緒にそんな場面を見るにはあまりにウブだったので、親子ともにうろたえ、途中で席を立って帰ってしまったのである。
しかし、その時流れていた美しい曲の断片は、そののち長く母ちゃんの脳裏に残った。 成人して、それがサイモン&ガーファンクルというアーティストによるものと判ってからは、彼らの忠実なファンであり続けている。
この夏、母ちゃんは知人の尽力で、彼らの最後の日本公演のチケットを手に入れ、東京ドームに向かう。 ←ご覧になってからここをポチッと
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