ぶん ご近所のH家の新人猫のことだけど・・・
ちび うん。白茶で可愛い、元気な男の子だろ。
ぶん 実はなあ、その話をするたびに、とめの機嫌が悪くなるんだよ。
ちび へえ~何で?
ぶん 分からないかい? ありゃ、きっと嫉妬だね。
ちび ・・・まあ、ありうる事かもねえ。
ぶん オレもおまえも、捨て猫時代が長くて苦労してたから、世の中の事が少しは分かるよね。
ちび うん、うん。
ぶん それに比べて, とめはなあ・・・。捨てられた直後に母ちゃんに拾われて、ほとんど世の辛酸を舐めてない。だから,ワガママいっぱい、いつも自分に関心が向けられていないと気がすまないんだ。
とめ 兄貴も姉貴も、あたいのこと分かってないっ!
ちび うわっ。いきなり、どしたの、とめ。
とめ あたいは、Hさんとこの子猫が可愛いからってヤキモチ妬いてるんじゃないや。その子が「プチ」って名前もらったのが羨ましいんだいっ。
ぶん 「プチ」は「ちっちゃい」って意味だけど?
とめ あたいはね、「もうこれ以上猫拾えない」って意味で(止める→とめ)、母ちゃんにヒドイ名前つけられたんだい。うわ~ん!
ちび ふん、ふん。
ぶん ・・・だけど、とめ、おまえ、実際母ちゃんにヒドイ事されたかい?
とめ ぐすん。うえっ。えっく。・・・うんにゃ。
ぶん いいじゃないか、名前なんかどーでも。 オレたちみんな、こうして母ちゃんと一緒に仲良く暮らしてるんだから。
母ちゃん ぶん、フォローありがとよ。(確かに私は大雑把な人間でありんす)