103 母ちゃんのため息
ちび 兄貴~、母ちゃんがため息ばかりついてるよ。
ぶん またか、今度は何なんだよ。
とめ きっと便秘かなんかだな、ありゃぁ。
母ちゃん うるさいっ。私だってメンタルでヘコむことはあるんだ!
ちび 母ちゃん、仕事上で何かあったんでしょ?
母ちゃん う。心臓を抉られる一言だなあ。
ぶん なんだかんだ言っても、母ちゃんは苦労が足りないからな。
母ちゃん ハイ、その通りでござんす。
ちび フルタイムの時には味わってないイヤなこと、でしょ。
母ちゃん ぐさっ・・・あのね、派遣やパート、非常勤の人々の気持ちが痛いほど分かったよ。年度末のこの時期は、4月からもこの仕事あるのかしらん、って不安になるんだね。
とめ 当たり前やないかっ。この世間知らずが。
ぶん こら、とめ。口が過ぎるぞ。
とめ あたいなんか、いつ捨てられるかと思って毎日びくびくしとるんやで。毎日が年度末や。
ぶん おまえ、そんな風には全然見えないけどなあ。毎日、堂々とワルサしてるじゃないか。えっ?
ちび うふ。とめは査定ゼロどころかマイナス何十%だもんね。史上最低の飼い猫だからさ。
三匹 ぎゃーぎゃー、ぼかすか。
母ちゃん 頼むから静かにしてくれ~。オマエらを養っていくために苦労してるんだよ。
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