112 マッサージ猫
母ちゃん あ~こりゃ効く。う~たまらん。
ちび (ふみふみふみふみふみふみ)
とめ 兄貴、あの二人は何やってんでィ?
ぶん ちびが母ちゃんの腹をマッサージしてるんだ。
とめ へー。姐御にゃそんなワザがあったんですかい?
ぶん ・・・オレとおまえは、だいぶ育ってから母ちゃんに拾われたろ。ちびは違う。母猫の乳も十分に吸えないうちに捨てられたんだよ。
とめ それとコレと何か関係あるんで?
ぶん 子猫は母猫の乳房を前足で揉んで乳の出を促すんだ。ちびのアタマの中では、いまだにその仕草が完結していないんだな・・・
とめ じゃあ、姐御は母ちゃんを「ホントの親猫」とみたてて・・・
ぶん たぶんね。
とめ 姐御は近寄りがたい雰囲気で怖かったんですけど、この話を聞いたからには、ちょっと見方が変わりますねえ。
ぶん おまえ、なんで、いきなり言葉遣い変えるんだ。
とめ あ。いえ、ハイ。
ぶん 本当は、母ちゃんに一番迷惑かけてるおまえがマッサージしなきゃいけないんだよ。わかってんのか?
とめ ハイ。今回は何も言えません。
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