何がニャンでも世襲制?

 

   ニンゲンは「金と権力」が大好きだ。 しかも、それを血を分けた我が子に伝えなきゃってんで大騒ぎ。 その子の出来は二の次なんだ。 人類の歴史上、数え切れないほどソレが失敗に終わってるのに(国家単位、個人単位でも)。 ニンゲンって、えらそーにしてるけど学習能力ないね。
 

   創業時代の偉人の功績は、苦労を知らない二代目・三代目がダイナシにして潰してしまう。 それが企業なら、「よくある話」ですむけれど、今のニッポンの政界、ありゃ何なの?  閣僚のほとんどが世襲議員。 カネの苦労もしたことない坊ちゃん・嬢ちゃんに、庶民の暮らしがわかるとは到底思えない。 
 

   教育にカネがかかり過ぎるのも、原因のひとつだろう。 今はもう死語になってしまったが、一昔前には確かに「苦学生」というのがいた。 貧困に苦しみながらも勉学に励み、希望の職に就く者が少しはいたものだ。 それが今では絶滅寸前。 カネのある人・エライ人の子供は公立学校に行かず、幼少時からお受験をして私立で学ぶ。 そこには同じように恵まれた子供ばかりがいて、世間の嵐も知らずに成人する。 一方、公立にはさまざまな家庭の子がいて、日々問題を起こし、仲間同士、「あいつもアホやなあ。 でも両親が夜逃げして、ヤケになったんやろな」などと世間の諸相を見ながら育っていく。 
 

   政治家には「公立」組を混ぜていただきたいものである。 それには這い上がる力のある「苦学生」の再出現を待たねばならない。 アッ。 でも、ニンゲンって、そうなりゃなったで、昔のこと忘れて権力風吹かすからなあ。 太閤さんがいい例だあ。 水呑百姓の出だったけど、晩年は我が子可愛さに酷烈なコト平気でやって、天下万民を泣かせたね。

 その点、猫はいいなあ。 子に伝えるのはねずみを捕るワザのみ。 生きていく上に必要な力をつけてやれば、もう他人として追っ払う。 (最近は室内飼いがほとんどで、そうしたいのやが出来まへん)