三人寄れば派閥が生まれ・・・

 このところ、我が家の猫社会に異変が起きている。「3人寄れば派閥が出来る」とはよく言ったもので、ウチの猫どもが2対1に割れてしまったのである。
 お互い血の繋がりのない3匹ではあるが、以前は寒い時期など仲良くダンゴになって丸まっていた。それが最近、全く見られない。派閥の内訳は、ぶん+ちび、とめである。
 
 最古参のぶんは元放浪猫、自ら我が家を棲家と定めて居ついたオトコであり、次々に拾い猫の世話を買って出て、くたびれ果ててしまったオッサンである。育児中は、彼も懸命であったから、自分の「好み」を表に出す余裕もなかった。しかし、彼女等が無事成人した今、彼はもういいだろうってんで、旗幟鮮明の態度をとり始めたのである。
 
 ぶんはちびの毛繕いを実にまめに行う。ちびも気持ちよさそうに、されるがままになっている。そこへ、ヤキモチを焼いたとめが、ぶんにすり寄ってくる。ちびは邪魔をされて怒り、シャーッととめを威嚇する。とめは小さくなって逃げる。ぶんは一応、困ったような顔はするが、やがてまたちびの毛繕いに戻るのである。
 とめは、離れたところで、羨むように2匹を見ている。その丸まった背中のラインには言い様のない寂しさが漂っている。ぶんは「う~ん、やっぱりまずいか」と言うかの如く、とめの毛繕いに掛かるが、それは傍目に見ても「通りいっぺん」のものでしかない。
 
 事態ここに至った訳はいくつも考えられる。ぶんとちびは宿無し猫として苦労した期間が長く、とめはごく短い。苦労人同志の間には、とめが入り込めない絆が在るのかも知れない。また、ちびは飼い主(親バカ)の目から見てもかなりの美女だが、とめはころっころのぶさいく猫である。さらに、ちびは品行方正、とめは悪タレでいたずら大好き、毎日叱られてばかりいる。
 これはどう見ても、とめの分が悪い。修正可能な点は素行だけだから、なんとかしてとめにいい子になってもらい、他の2匹に可愛がられるようにと願う飼い主である。

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