昨年9月、ある日突然、「ぶん」が遠い国へ旅立ちました。 苦しそうな声をあげてから15分。 この事実を受け止められぬまま、翌日仕事を休んで荼毘に付しました。「ぶん」を知っている知己が3人、火葬場に駆け付け、茫然自失の私を支えてくれました。 その時の感謝の気持ちを忘れることは終生ありません。 フルタイムの仕事をしていることが唯一の救い、職場にいる時は忙しさに気が紛れていますが、家に帰ると思い出ずにはいられません。16年間、わがままな一人暮らしの飼い主に寄り添い、お客様には分け隔てなく愛嬌を振りまき、歳下猫2匹の面倒を引き受け、さぞかし忙しかっただろうに、何一つ報いてやれませんでした。 心にぽっかりと穴が開いた私の目に飛び込んできたのは、残された女猫2匹の、私以上の落ち込みぶりでした。 「ぶん」に育ててもらった時期が長い「ちび」は、腹側の毛が全部抜け落ち、いまだに兄貴を恋い慕って夜泣きをします。 その「ちび」を心配して、「とめ」が頻繁に「ちび」の毛繕いをします。人間がすべての生き物の上に立っているなんて嘘です。 恩愛の情は人間と変わりない、いや、それ以上かもしれません。 これからも皆様に世情に関して発信をする機会があると思いますが、よろしくお願いいたします。