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1. 1 出会い
これは主人公ぶんが「初めての養い子」ちびと出会った場面から書き始めたものなので、二番目の養い子トメの登場は少し後のことになります。 猫マンガと母ちゃんの奮闘記はリアルタイムですが、この「ぶんの子育て日記」は、多少時間を遡ることになります。 9月のまだ暑い日の夜だった。ウチの母ちゃんが仕事から帰ってきてしばらくして、ぴいぴいというヘンな鳴き声が玄関脇の小部屋から聞こえてきた。あれ、なんだろうと怪しんでいると、翌日の夜に居間のガラス戸越しにそいつと対面させられた。それは生後25日くらいのチビ猫だった。 雑巾の切れっ端みたいな薄汚いぶさいくな子猫で、両目が目ヤニで潰(つぶ)れていた。母ちゃんはオレというものがありながら、またもう一匹猫を飼うことにしたんだ。オレ、正直言ってかなりヘコんだよ。まあ、そのこともイヤだったけど、母ちゃん、どうしてオレとそいつを隔離するんだろう。オレがそのちびすけを噛み殺すとでも思ってんのかな。(事実、そう思っていたらしい) そのまた次の夜、近所の娘さんが子猫を見に来た時、彼女が「きゃー、こんなにちっちゃいんだ。でもブンちゃんの機嫌はどうなの~?」と言いながら上がってきて、いきなりガラス戸開けたもんだから、オレ、そいつとキッチリ顔合わしてしまったんだ。 ふにゃふにゃした頼りない体で、オレに擦(す)り寄ってきたそいつを見た瞬間に、オレ、つい、無意識にそのコの頭舐(な)めてやったんだよ。今でもわかんないんだけど、あの時どうしてそうしたんだか。   ・・・オレは、5年前のこと思い出した。オレも捨て猫だったんだ。5年前にここの母ちゃんに拾われ、居間のガラス戸越しに2匹のでっかい雄猫に対面させられて、フギャーと威嚇されて小さくなっていた。でも、先輩達、次の夜にはオレの同居を許してくれたよ。 ほんとはやっぱりオレみたいなのが家族になるのはイヤだったんだろうけど、二匹ともおっとりした性格だから、「ま、いいか」って感じでオレを自由にさせてくれた。もう10年も飼われていていい歳(とし)だったから、オレと猫パンチや猫キックで遊ぶのはちょっときつかったかも。 悪い事しちゃったのかなあ。でもその代わり、ご飯の時は遠慮してたよ。オレは食べ盛りだったけど、あんまりがっつかなかった。新参者の仁義ってわけだ。   そんな暮らしが3年間続いた。その2匹が、一昨年の暮れ、相次いで死んでしまった。母ちゃんは他に人間の家族がない人だから、悲しみも尋常ではなくて、3ヶ月くらい落ち込んでいたよ。 オレ、どうすることもできなくて、困った。母ちゃんがあんまり寂しそうなんで、母ちゃんの行くところ家中ベタベタくっついて回ったよ。ところが母ちゃんはオレが猫仲間を失って寂しいんだと勘違いをしてしまったんだ。 思いこみ、感情移入が激しい人だからね。オレ自身は生き物の死は天命で仕方のないものと生得(しょうとく)わきまえているんだけど。   母ちゃんは仕事で朝7時から夜7時まで家を空ける 土日だって仕事でいないことが多い。そこで母ちゃんは、近所の猫好き一家の娘さんに、なんと、バイト料払うからぶんの面倒一日一時間見てやってくれって頼んだんだ。娘さんもその時フリーターだったから、喜んで来てくれたよ。おかげでオレ、寂しくなかった。お姉ちゃん、ゼニカネ抜きでオレのこと可愛がってくれたから。母ちゃんも安心して仕事に出ていたけど、心の中でいつも「ブンの仲間をみつけてやんなきゃ」とあせっていたらしい。それで今度、母ちゃん、自分の職場に捨てられてたチビ猫拾ってしまったんだ。

2. 51 女へん・ケモノへんの漢字
女性の皆さん、漢字の成り立ちって、ひどいんですよ~。 女が3人寄ると喋りあってうるさいので、 「姦しい」(かしましい)    女が年を経て古くなったのを、 「姑」(しゅうとめ)    女に特有の疾病、 「嫉妬」(しっと) 当節、男にも相当おしゃべりなヤツはいるし、本当は男の方がしっと深いんだぞう。  たまに好意的な(?)漢字もある。 女は弱いと書いて「嫋か」(たおやか→優美な様子)。 これだって、今は男のほうに似合う人が多いのではないか。   女に学問の機会などなかった大昔、男たちが勝手に編み出した字がいまだに生きている。 英語圏では女性名詞のstewardessをcabin attendant と言い換えたらしいが、漢字の世界にイチャモンつける人はまだ出てないね。 など と、雨の休日、母ちゃんはくだらないことを考えながら、昼酒を飲んでいる。 そこでオレは訴えたい。 ケモノへんの漢字の方がもっとひどいんだよ。     何で 「狂う」 とか 「獰猛な」 とかが、ケモノへんなの? 前後の見境いなく他人を殺傷し「誰でもよかった」とうそぶく人間の行為に、オレたち、関わっていないよ。 食物連鎖の中で、他の生き物の命を頂いてはいるけれど、人間みたいに非道なこと、やっていないよ。 ついでに「畜生道」とか、「獣じみた」とかいう慣用句もなくしてほしいなあ。     ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

3. 2 子育て
  このぶさいくなチビスケがとんでもないコでね。まったく遠慮というものを知らないんだ。もっともオレが母ちゃんに拾われたのは、もうオレが中猫(人間で言えば中学生くらい)だった頃だから、一応の世間一般常識は心得ていた。同居の先輩猫に対する礼儀とかね。ところが、このちびすけにそんなものはナイ。まったくの幼児で、生え始めた歯でオレに噛(かじ)り付く。痛いのなんのって。こんな早い時期に母猫と別れて、まだ乳首が恋しいもんだから、乳の出ないオレの乳首にすがりつくんだ。考えてみれば哀れなもんだよ。記憶も薄らいでるけど、オレはともかくも少年時代までは母猫のふところでヌクヌク育ったような気がするんだ。   それでオレは耐えた。今は亡き爺さん猫たちに同居を許してもらったこともあるしね。このちびっころの面倒見ようと腹をくくったよ。幼猫は通常母猫が肛門を舐めて刺激して排泄を促すんだけど、オレがそれをやったよ。おまけにコイツは結膜炎で目ヤニで目をふさがれてるから、それも舐めてキレイにしてやったんだよ。汚いって?そりゃ薄情な人間どもの言い草で、オレたち獣には当然のことなんだ。   だいたいこの頃の人間どもは、ありゃいったいなんなの。自分が産んだ子を折檻してご飯をやらないで殺したりしてるじゃないの。子供の方だって平気で親殺しをしてる。もう人間の世も末だね、こんなことやってるようじゃ。猫なんかエライもんだよ。親猫は体を張って子猫を育てるよ。ノラなんか特に大変なんだ。自分が食べなくても子猫にはひもじい思いをさせまいとする。 人間だってかつてはそうだったんじゃないの?衣食住に不自由だった時代のほうが、人間はマトモだったんじゃない?食べていく事ができなくて、嬰児(えいじ)を間引きしたり、年貢が払えなくて泣く泣く娘を売ったりしたことはあってもさ。今は文明とやらが進んで人間どもは大きな顔してこの世にのさばってるけど、やってることは下劣になってきたようだね。   オレが子猫の面倒見るようになってから、母ちゃんは安心して仕事に出るようになった。一日中、オレはちびすけと遊んでやってる。そのうち、ちびの眼病伝染(うつ)されてオレの片目が目やにで潰(つぶ)れた。「踏んだり蹴ったり」ってこのことだよ。オレ、文字通りちびに踏まれたり蹴られたりして、病気までもらったんだよ。     でもね、エラソーなこと言ってるけど、実はオレも楽しくないことはないんだ。 だって、死んだ2匹は爺さん猫で、あまり激しい運動できなかったもの。 オレ、チビに追いかけられて家中逃げ回って、今すごい運動量を誇ってる。 子猫は加減というものが分からないから、息が上がるまで走り回るんだ。それに子猫の爪はまだ鞘が出来ていなくてニョキッと出たまんまだから、引っかかれると痛いの。 とにかく全力でオレに立ち向かってくるよ。オレも知らず知らず遊び心を取り戻して、夢中になって駆け回ってる。かくれんぼなんかしてて、オレがやっとこさちびを探し当てると、ちびのヤツ、隠れた場所でそのまんま眠っちゃってることもあるよ。ころんと転がっててすーすー寝息が聞こえるの。人間の子もこうなんだろ。遊び疲れるとすぐ寝ちゃうんだろ。   そういう時のちびの顔って可愛いんだねえ。守ってやんなきゃって気持ちになるよ。さっきの人間の幼児虐待の話だけど、こどもの無心な寝顔見て、どうして鬼のような気持ち起こすんだろう。オレにはわかんない、まったく。オレにとっちゃこのチビは赤の他人の子で、オレが面倒見る義理はないんだよ。でも見捨てて置けないじゃないか。

4. 3人兄弟(姉妹)性格形成論
人間でも3人兄弟(姉妹)というのは興味深いものだ。 一番上は、子育てが初めての両親が力み返って慎重に育てるものだから、よく躾けられた「いい子」が多い。 ただ、自分自身の判断で困難を乗り切って行くエネルギーには乏しいようだ。 二番目は、親も経験を積んで余裕が出来、手綱をゆるめることもあるから、部分的には自主的な行動が可能な人間になる。 かつ、兄や姉の、親との関係を見ながら育つので、要領のよさを身につけることも頻繁だ。 末っ子はもう、親の気力(統制能力)も弱まり、周囲も甘やかすので、やりたい放題やって伸び伸びと育ち上がってしまう。   ウチの猫3匹は、血のつながらぬ元捨て猫同士だが、一緒に暮らしているうちに、なんとなく、この「3人きょうだい性格形成パターン」を踏襲しているから笑ってしまう。 ぶんは、いつも心穏やかで行儀よく、私(母ちゃん)の意に沿った行動をする。 二番目のちびは、私の目の届かぬ所でワルサをしているのだが、決してシッポを出さない。 時々、兄貴のぶんに「あんた、もっとシッカリしておくれよ」と檄を飛ばしている。  そして、末っ子のトメ。 もう拾ってから1年以上経つのに、いまだに骨柄小さく子供顔。 それでもってお客さんたちが「きゃあ可愛い~」などと甘やかすものだから、怖いものなし、我が家で最強の生物となり、日々、家具などの破壊活動に専念している。 もちろん私(母ちゃん)は激怒。 ぶんはそれを見て図式どおりオロオロし、ちびは旗色を見ながらどちらの陣営につくかを決めるのだ。     ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

5. 三人寄れば派閥が生まれ・・・
 このところ、我が家の猫社会に異変が起きている。「3人寄れば派閥が出来る」とはよく言ったもので、ウチの猫どもが2対1に割れてしまったのである。  お互い血の繋がりのない3匹ではあるが、以前は寒い時期など仲良くダンゴになって丸まっていた。それが最近、全く見られない。派閥の内訳は、ぶん+ちび、とめである。    最古参のぶんは元放浪猫、自ら我が家を棲家と定めて居ついたオトコであり、次々に拾い猫の世話を買って出て、くたびれ果ててしまったオッサンである。育児中は、彼も懸命であったから、自分の「好み」を表に出す余裕もなかった。しかし、彼女等が無事成人した今、彼はもういいだろうってんで、旗幟鮮明の態度をとり始めたのである。    ぶんはちびの毛繕いを実にまめに行う。ちびも気持ちよさそうに、されるがままになっている。そこへ、ヤキモチを焼いたとめが、ぶんにすり寄ってくる。ちびは邪魔をされて怒り、シャーッととめを威嚇する。とめは小さくなって逃げる。ぶんは一応、困ったような顔はするが、やがてまたちびの毛繕いに戻るのである。  とめは、離れたところで、羨むように2匹を見ている。その丸まった背中のラインには言い様のない寂しさが漂っている。ぶんは「う~ん、やっぱりまずいか」と言うかの如く、とめの毛繕いに掛かるが、それは傍目に見ても「通りいっぺん」のものでしかない。    事態ここに至った訳はいくつも考えられる。ぶんとちびは宿無し猫として苦労した期間が長く、とめはごく短い。苦労人同志の間には、とめが入り込めない絆が在るのかも知れない。また、ちびは飼い主(親バカ)の目から見てもかなりの美女だが、とめはころっころのぶさいく猫である。さらに、ちびは品行方正、とめは悪タレでいたずら大好き、毎日叱られてばかりいる。  これはどう見ても、とめの分が悪い。修正可能な点は素行だけだから、なんとかしてとめにいい子になってもらい、他の2匹に可愛がられるようにと願う飼い主である。   *画面左上の猫ブログバナーを押して投票してくださると嬉しいです♪

6. 2008年3月
 俳句の世界では「猫の恋」と言って、春先に「お相手」を募集する猫たちの声が季語となっている。 本能のなせる業で、彼らに罪はないのだが、いかんせん、この騒がしさを嫌う人間サマが多いので、飼い主は頭が痛い。 ご近所に迷惑をかけるといけないので、獣医に去勢手術・避妊手術をしてもらうことになる。 煩悩のモトを切除すると、憑物(つきもの)が落ちたように静かになる。 昨日まで狂い回っていた自分を忘れてしまう。   トメの場合も、いよいよ夜鳴きが激しくなってきたので、仕方なく動物病院に連れて行った。 発情中は出血が多いということで、ある程度おさまってからと思っていたのだけど、そんなことも言っていられなくなった。 ウチは集合住宅の一室なのである。  これまで何度も雌猫を動物病院に連れて行ったが、その都度退院の日に思うことがある。 人間も猫も、オンナは損だなあ、ということだ。 雄猫はタマを取るだけだが、雌は開腹手術で、時間も手間も料金も雄の比ではないのである。 もちろん、本人の苦痛も大きい。 腹の毛を剃られ、いつになくショボンとうなだれているのをキャリーケースに入れて帰る時、飼い主はせつない。  ごめん、ニンゲンの都合で、こんな目に合わして! と心の中で謝る。 今回は、トメの発情があまりに早かったので、哀れさは一層増した。 家に連れ帰り、玄関でケースから出してやると、「わお~ん」と一声高く嬉し泣きをし、家中を飛び回って喜んだ。 兄貴のぶんは「あ、帰ってきたんだね」という鷹揚(おうよう)な態度で出迎え、トメの頭をやさしく舐めてやっていた。 ところが、姉貴のチビの方は、そんなに甘くはなかったのである。  自分も同じような辛い目にあったことを覚えているのなら、いたわってやればよいのに、なんと、コイツは弱っているトメをくわーっと威嚇して追い立てたのである。 たぶん、2・3日入院していたトメが病院臭紛々で、イヤだったのではないか。 踏んだり蹴ったりの、かわいそうなトメであった。

7. 動物のお医者さん
いや、参りました。この10日間、ぶんのデキモノが悪性だったらどうしようと思い悩み、仕事もうわの空、情けないありさまで。中古品の我が身もこの頃いろいろ傷んできておりますが、放置してあります。健康保険証、あまりにも使ってやらないので、怒って姿を消しちゃいました(=紛失したかも)。   それなのに、同居猫の体の異変にはことさら敏感で、今回もぶんのデキモノに大騒ぎをし、泣いて嫌がるのを無理やり箱にブチ込んで受診。触診のあと、「腫瘍ですね。良性か悪性かは、切除して、ブツを病理検査に出さなきゃ判りません」という獣医師の言葉に目の前が真っ暗に。手術は全身麻酔なので、誓約書の「猫の体質によって起きた不測の事態には責任を持たない」の項目には貧血を起こしそうになりました。  検査の結果を待つよりも先に、試練があったわけです。全身麻酔から意識が戻ってこなかったら、そのままお別れか? 私自身は20年前に全身麻酔で手術を受けたことがありますが、その時、周囲の人々はさぞや心配したことでしょう。遅ればせながら、やっと、そのことに思い至ったわけです。   幸い、ぶんは無意識の世界から無事帰還。検査結果も良性の「脂肪腫」と出ました。数年前、放浪の末、我が家で暮らし始めたぶん。その後、飼い主が次々に拾ってくる子猫のお守りをし、今では一家の兄貴株。2匹の妹分は兄ちゃんを追い回し、蹴りを入れ、枕代わりに使うなど、わがままの限りを尽くしています。それだけ、兄貴に甘え、兄貴を愛しているのでしょうけど。また、飼い主まで「ぶんに看取られて死にたい」などと勝手なことばかりほざくので、ぶんは迷惑がっています。    ちなみに、病理検査証を見ると、かつて私が愛読したマンガ「動物のお医者さん」の舞台、北海道大学獣医学部に近い(付属の?)検査機関の住所が記してありました。検査に10日もかかるのは、摘出物をここまで送るからなんですね。なんだか、あのマンガとつながりが出来たようで、不思議な気持ちです。 ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ご覧になってからここをポチッと押して下さると嬉しいです。

8. 猫は人間の赤ちゃんのおもりもする!
昔は、「赤ん坊のいる家では猫が飼えない」と言われたものだ。 乳臭い赤ん坊に猫が噛み付くから危険、というのが理由である。 私は以前からこの説には疑問を抱いていたが、このほど、堂々と反証を挙げられるようになった。   先日お邪魔させていただいたUさん宅では、結婚して家を出た娘さん・K子さんと、1歳何ヶ月かになる孫のAちゃんが里帰りしているところであった。 Aちゃんは可愛い盛りの女の子、しかもかなり活発で公園の砂場でダイビングなどを楽しんでいるらしい。 その日、突然の闖入者にビックリしてしばらく固まっていたが、やがてマイペースで行動し始めた。 U家には2匹の猫がいる。 そのうちの1匹をトコトコ追いかけ始めたのだ。 (ちなみにU家の猫達は、娘時代のK子さんが拾って慈しんだ猫である)   Aちゃんとその猫のラリーは、見ていて飽きないものがあった。 猫は、追いかけてくるAちゃんに気付いて、最初は「ちえっ、しょーがねえな」みたいな顔をした。 だがすぐに、シッポ(その猫のは長い)を振り立てて揺り動かし、「こっちだよ、こっちへおいで~」と言うように、Aちゃんのヨロヨロ歩きを、ゆっくりと先導し始めたのである。 しかも、Aちゃんがちゃんとついてきているかどうかを確認するため、何度も何度も振り返って見ていた。   猫をバカだとか自分勝手だとか言う人は多いが、生き物として、自分より幼い者・非力な者を守ってやらねば、という気持ちの持ち方に変わりはないのではないか。 近頃、新聞やニュースを騒がしている人間サン、見習ってほしいものです。 ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

9. 3 親バカ
ウチの母ちゃんはオレたちのことを職場の同僚にベラベラ喋ってるらしい。 ま、それはいいんだけどね。 やたらにオレとちびの写真を撮っちゃあ、職場に持っていって、誰彼かまわず見せまくってるんだよ。 「ウチのブンはえらい」ってんで。 困るんだよなあ。 あの人変わり者だから。  母ちゃんは常日頃、人間の父親が子供の運動会でビデオ撮るのに場所争いしたり、職場の机に我が子の写真を貼ってたりすることに、ケッ、親バカおやじが、他にやることはないんかい、という態度をとっている。 その母ちゃんが、結局同じことをしてるんだもの。 オレ、恥ずかしくってさ。 年賀状だってそうだ。 よく若夫婦から赤ん坊のまんまるな顔写真入りのが来るでしょ。 それを見ると、またブタまん葉書か、芸がないなあ、とか言って批評するの。(赤ちゃんのいる方、気を悪くしないでください) そのくせ自分はオレの写真をパソコンで丹念に画像処理して年賀状作ってるんだよ。 あ~あ。 あの人、なんとかならないかなあ。   先日、母ちゃんの知り合いの若者たちが7人ウチに遊びにきたんだ。 ちびは引っ張りだこで人気者、超ハイになって客の間を駆けずり回り、最後は疲れ果てて一人の客の膝の上でまるまって眠ってしまった。 オレはあまりかまってもらえなかったけど、別にいじけちゃいないよ。 オレ、大人になったんだ。 えへ。   母ちゃんがオレとちびの写真を見て、「ブンの顔が変わったな」とつぶやいた。 たしかにちびが来る前のオレは、一人前の青年だけどまだ子供っぽさが残っている、可愛い表情で写っていた。 今のオレの顔はこどもを育てている責任あるオトナの厳しい顔だよ。 だってちびすけはいつどんな危ないことをするか、わからないんだもの。 こないだなんか、椅子の布張りのところへ爪を引っ掛け宙吊りになってぴーぴー泣いていたんだよ。 オレがその声を聞きつけて、走っていってちびをオレの前足ではたき落とした。 母ちゃんは何にもしないでオレがどういう行動に出るか観察してたらしい。 「ブン、お見事!」だって。 いい気なもんだ。 オレの仕事はちっとも減りはしない。 ウンチの始末はもうしなくてよくなったけど、体が日に日に頑丈に育ってくるので、いたずらの度合いもグレードアップしてるんだ。 母ちゃんの大事にしてる本を棚から叩き落とす、カーテンの上のほうまで登って大揺れに揺れる、掃除機の爆音にも無謀に立ち向かって吸い込まれそうになる、寝ている母ちゃんの鼻の頭を思い切りかじる、などなど。 オレも、小さい時、こんなことしてたのかなあ。    人間のこどもも、下に弟や妹が生まれると、お兄ちゃん・お姉ちゃんらしく、おいたをしなくなるっていうんだ。 最初は親の愛情が下の子に移っていじけるらしいけどね。 でもやがて自分なりの役割を感じ取って、弟・妹を可愛がり始め、何かと守ってやるようになる。 オレだってそうだよ。 血のつながりはないけどね。

10. 拾ってくれた人
 昔、亡き母がまだ元気だった頃、当時の私の住まいにやってきては数週間滞在することがよくあった。狭いアパートだったが、その頃もやはり数匹の拾い猫どもがいて、母は私が仕事に出ている間、彼等の世話に追われたものである。その母がある日不満を訴えた。 「腹が立つねえ 。エサをやったりトイレの始末をするのは私なのに、猫は私よりあんたのほうが大事らしいよ」 「えっ。どういうこと」 「だって、あんたがアパートの入り口から階段を登ってくる足音を聞きつけたら、みなドアの前に並んでるもの」 「ひえ~。この部屋は4階だよ」 ボロではあったが、一応鉄筋の4階建てアパートであった。その1階の入り口にさしかかった時から、すでに猫どもは飼い主の帰宅を察知していたらしい。 「婆ちゃんより姉ちゃんの方がいいのは、拾ってくれた人をちゃんと知ってるからだねえ、おまえたち。鳴き声も使い分けてるし」  母は猫の前では自分のことを「婆ちゃん」、私のことを「姉ちゃん」と言い慣わしていた。ぶつぶつ言いながらも、母は実によく猫の面倒をみてくれたものだ。  私は猫好きではあったが、彼等がここまで義理堅いという事は知らなかった。 「う~む。恩知らずの多い昨今のニンゲンどもより、よほどデキがよいではないか!」  この時から、私は「猫好き」嵩じて「猫キチ」となってしまい、「猫しか愛せない女」と陰口を叩かれることとなったのである。  現在の我が家では、拾われた時の状況が最も悲惨であったちびが一番飼い主に忠実(=私にしかなつかない)、放浪した末に我が家を自主的に住処と決めたぶんが苦労人で穏健中立派の愛想よし、捨てられた直後に拾われたとめは苦労知らずの我儘娘、という社会学的な構図が見事に成立している。    ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ご覧になってからここをポチッと押して下さると嬉しいです。  

11. 離島の医師
私は、今回の離島での仕事で、医療の原点にいる二人の人間の生き方を知ることになった。 前回ご紹介したゲロゲロ船旅の余波で、上陸日の深夜、重症者を島の診療所に搬送したからである。 そこには、島で唯一人の医師と唯一人の看護師がいた。   常々、大都会の大病院の診療形態に、私は疑問を持っていた。 とりわけ最近では、緊急事態で搬送されてもタライ回しにされるケースが頻発し、命を失う人があとを絶たない。 これは医療機関に携わる各部署の個人個人を非難しているのではない。 社会の医療システムそのものが(科学の進歩とは裏腹に!)疲弊・崩壊してきており、モンスターペイシェントの跳梁跋扈を許していることを言っているのである。  深夜の孤島の診療所で、患者を医師に診てもらいながら、私は生まれて初めて「お医者さん」としみじみ話をすることが出来た。 その先生は、島でただひとりの医師だから、全ての診療科目(内科も外科も、その他すべて)をカバーし、ただひとりの看護師を支えに奮闘しているのである。 もちろん、薬局もなければ薬剤師もいない。 この二人が全責任を負って薬の調合も行い投薬もするのである。 だからこそ、島の住人はモンスターペイシェントになるはずもなく、たとえ彼らの力が及ぬ事態が生じても、彼ら二人に全幅の信頼・尊敬を寄せているのである。   都会の医療関係者でも、崇高な理念のもと、医療の進歩のために、日夜身を削って精進している人がいることを母ちゃんは知っている。 だけど、こういう人々が患者のために実際に動けるかどうかは、システム上、別問題なのである。    この診療所の医師・看護師は、自ら離島での診療を志願して、この島に赴任したと言う。 真っ黒に日焼けして、笑顔のステキな二人であった。 ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

12. マルコ(ぶんのメル友犬)から
  今日はオレの文通友達犬のマルコくんを紹介したいと思います。 お互いまだ顔を見たことはないけど、時々メールで近況を知らせあっています。 以下はマルコくんの心境を綴ったものです。  ボクは小さい頃いろいろ辛い目にあいましたが、優しい里親さんに引き取られて、今では幸せに暮らしています。 このおうちでやっと安心して眠れる場所がみつかりました。 オシッコで失敗したり、皮膚病になったり、家族に迷惑かけてるんじゃないかとビクビクしたこともあるけど、家族の一員としてしっかり受け入れられているのがわかって嬉しいデス。  ボクもぶんさんたちも、子供の頃、同じような目に遭っています。 人間の皆さん、この、かけがえのない地球に生きているものが、何とか共生していく道はないものでしょうか? 物質文明を発達させたはずの人間社会には、この頃頻繁に「同士討ち」さえ流行っているようで、ボクたち動物が口をはさむ暇もない?・・・残念です。

13. 「ある日の猫一家」その45   極道のオンナ達
「おっ。 これから極道の女シリーズ。 寝たまま観戦だあ」 ベンガルお虎、盛んにガンを飛ばしておりま~す。 「ちっこいの。 あたしのシマに無断で入ってくるなんて、いい度胸じゃないか」 猫又おトメ、負けてはいません。 「ふん。 1年やそこら早く娑婆に出たからって、姉貴ヅラするんじゃねえよ」 「うっきー!」 しかし、この夏の猛暑で体力消耗、2匹は息が上がって決着はつきませんでした。 (テーブルのふちに手をかけてサボってます)  ゼイゼイ

14. 爪の垢を煎じて
相も変わらず、人間社会は幼児虐待や殺人・詐欺など、弱者をターゲットにした、目や耳を覆いたくなるような事件がいっぱいで、母ちゃんは辟易している。    それに比べたら、猫の方がずっとマシだ。母ちゃんが仲良くしている、公園猫の茶白さん。これは、と思う人間たちにすり寄って愛嬌をふりまき、食べ物をもらっているが、彼女自身は、それほど飢えている様子はない。    驚愕の事実が判明したのは、つい最近のこと。彼女は自分のためにではなく、人間に近づいていけない他のノラ猫のために、食べ物を入手していたのだ。    我等が母ちゃんは退職後、アルバイトはしているが時間に余裕があり、ノラ猫たちの観察に余念がない。だから、給餌後の茶白猫の行動を見極めることが可能なんである。    彼女は、食べ物をもらっても、自分は少し口にするだけで、後は仲間を連れてきては食わせている。自分の事しか考えない人間どもに、この猫の爪の垢を煎じて飲ませたいものだと、母ちゃんは思っている。   *画面左上の猫ブログバナーを押して投票してくださると嬉しいです♪

15. 90 とめのヤキモチ
ぶん   ご近所のH家の新人猫のことだけど・・・ ちび   うん。白茶で可愛い、元気な男の子だろ。 ぶん   実はなあ、その話をするたびに、とめの機嫌が悪くなるんだよ。 ちび   へえ~何で? ぶん   分からないかい? ありゃ、きっと嫉妬だね。 ちび   ・・・まあ、ありうる事かもねえ。 ぶん   オレもおまえも、捨て猫時代が長くて苦労してたから、世の中の事が少しは分かるよね。 ちび   うん、うん。 ぶん   それに比べて, とめはなあ・・・。捨てられた直後に母ちゃんに拾われて、ほとんど世の辛酸を舐めてない。だから,ワガママいっぱい、いつも自分に関心が向けられていないと気がすまないんだ。 とめ   兄貴も姉貴も、あたいのこと分かってないっ! ちび   うわっ。いきなり、どしたの、とめ。 とめ    あたいは、Hさんとこの子猫が可愛いからってヤキモチ妬いてるんじゃないや。その子が「プチ」って名前もらったのが羨ましいんだいっ。 ぶん   「プチ」は「ちっちゃい」って意味だけど? とめ   あたいはね、「もうこれ以上猫拾えない」って意味で(止める→とめ)、母ちゃんにヒドイ名前つけられたんだい。うわ~ん! ちび   ふん、ふん。 ぶん   ・・・だけど、とめ、おまえ、実際母ちゃんにヒドイ事されたかい? とめ  ぐすん。うえっ。えっく。・・・うんにゃ。 ぶん   いいじゃないか、名前なんかどーでも。 オレたちみんな、こうして母ちゃんと一緒に仲良く暮らしてるんだから。 母ちゃん   ぶん、フォローありがとよ。(確かに私は大雑把な人間でありんす) ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ご覧になってからここをポチッと押して下さると嬉しいです。

16. 10 ちびが帰ってきた!
ちびは病院に2泊して帰宅した。 オレは嬉しくて、ちびの薬くさい体を嗅ぎまわった。 ちびは家に居る時こそ暴れん坊だけど、外に出るとからっきし意気地なしで、病院なんかに3日いればどんなにしおれかえっているだろうと心配だったんだ。 案の定、母ちゃんが語るには、 「こいつは病院ではへっぴり腰で、おどおどして何も食わなかったらしいよ」 ああ、やっぱりね。 人間世界に「内弁慶」というコトバがあるじゃないですか。 ちびはその典型なんだ。 その証に、帰宅して安心したのか、すぐに食器棚の上に飛び上がって母ちゃんをハラハラさせた。 棚の上から飛び降りた時にはオレだって息が止まりそうになったよ。 手術の縫合口が裂けるんじゃないかって。 そんなオレたちを尻目に、ちびは思う存分暴れ続けた。 3日間の拘束のもとを取らなきゃ、と言うが如く。   そんなちびを見て、実はオレの心境は複雑だった。 オレはちびの姿が見えなくなって丸一日はちびのことを心配してたんだけど、母ちゃんのコトバを聞いてほっとしてからは、ちびが居ない間に自分が今まで出来なかったことをひそかにしていたんだ。 だってオレずっと我慢していたことがイロイロあるんだもん。   まず、母ちゃんにベタベタ甘えること。 オレは母ちゃんのいくところ、どこでも付いて回った。 夜も母ちゃんの布団にもぐって眠った。 次に、ちびに取られていたオレのオモチャで遊ぶこと。 ちびが噛んで原型をとどめていないネコジャラシをソファの下から探し出して、オレは思い切り遊んだ。 母ちゃんもオレに気を遣っておおいに遊んでくれたよ。  「ぶん、普段はちびに譲ってるけど、どんなにコレがやりたかったことだろうなあ」 オレは息が上がりそうになるまでぴょんぴょん跳ね回り、久しぶりに充足感を得ていたのであった。  

17. ウチの猫は「にゃあ」と鳴かない
猫の鳴き声は「にゃあ」と相場が決まっているものだ。 英語では”mew”(ミュー)というらしい。 これほど定着しているものに異を唱えるわけではないが、ウチの3匹の猫の鳴き声は、これらとは全く違って聞こえる。     まず、ぶん。 いつも我儘なオンナ猫どもに翻弄されて疲れている彼は、小さく「うにい」と鳴く。 「あのう、オレ疲れてるんですけど~」と遠慮がちに訴えるような声である。 次にちび。 彼女は「ぐるぐるぐ~」と鳴くことが多い。 これは子育て中の母猫が子猫を呼ぶ時の声に近い。 実際、年下の手のかかる猫を抱えているので、いろいろと擬似母親の役割が回ってきて、ついにこんな声になってしまったのであろう。 最後にトメ。 怖いものなしの駄々っ子の発する雄叫び(雌だけど)は、「ウゲッ。ウゲゲゲッ」である。 何なんだ、これ? 飼い主の私には「あたいのやることに文句あっか」というトメの恫喝に聞こえる。     ことほどさように、猫の鳴き声も千差万別、個性を発揮し尽くし、毎日付き合っている人間としては退屈しない。 私は子供を生んだことはないが、人間の「お母さん」もさぞ、日々子供たちの発する声で、彼らの心身の状態を推し量り、一喜一憂されているのだろう。     唯一、我が家の猫どもが揃って同じ声を上げるのは、ベランダの向こうに鳥の姿を認めた時である。 このときばかりは皆、瞳孔を開き、「クカカカカ」と叫んで窓ガラスにかじりつく。 狩猟本能を刺激されると、この声が出るらしい。     ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

18. 49 子役と子猫
今年のNHK大河ドラマの主人公は直江兼継ということだ。 やっと「いぶし銀」的存在が陽の目を見たじゃないかと、母ちゃんはたいそう機嫌よく、日曜夜8時には缶ビールのふたを開けてTVの前に座り込んでいる。   実は、これにはまた別のワケがあるのだ。 母ちゃんは、直江兼継の幼児期を演じる子役さんの演技に参ってしまったのである。 イケメン俳優とかジャニーズ系とか、そういう輩を知らず興味もない母ちゃんは、年齢に関わらず、ひたすら存在感のある役者に惹かれるのである。 五歳で親元を離れ寺の学問所に入れられた兼継が、母を慕って「わしはこんな所には来とうなかったのじゃ」と泣き叫ぶシーンが、脇を締めるオトナの演技を圧倒して光っていた。  コドモというのは、時として、オトナの常識の枠をはるかに超えた所で、無意識に光彩を放つから恐ろしい。 本人は、うまくやってやろうなどという欲とは無縁で、ただひたすら持っているエネルギーをぶつけてくる。(そう言えば昔「おしん」という連続TVドラマがあった。 戦前の東北の寒村に生まれ、不条理の時代を必死に生き抜いていく女性の少女期を、懸命に演じた子役さんがいて、世界何十カ国で放映され好評を博したのだった)    子猫の可愛さも、人間にとってはこれと似たようなものであろう。 彼らも日々無心に狩の学習をする。 何に手を出し、どこへぶっ飛んでいくか分からない子猫に、毎日の憂さを晴らしてもらっているヒトは多い。 だけどなあ、人間も猫も、親は大変なんだよ。 これでもオレはちびとトメの育ての親。 見ているだけの人はいいよなあ。  ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

19. 「ある日の猫一家」その197   トメ、ヤンキーへの道
このところトメの生育歴を再編集しています。 いや、まったく小さい頃からふてぶてしい面構えで、兄貴・姉貴を圧倒していました。 「なんか文句あっか」 でも、時々、母ちゃんに叱られてズド~ンと落ち込んでる日もあったのです。 「やっぱり、あたいは三番目でミソッカスで・・・」 誰にも相手にされず、一人遊びを続けるトメ。 背中に哀愁が漂って・・・ 「いいんだ、あたいなんかどうなったって」 と思いきや、兄貴の説教にも開き直るほどの「極道女」になっちゃいました~。 「へっ。 何も怖いモノあらへんで」    ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ご覧になってからここをポチッと押して下さると嬉しいです。

20. 4 ストレス
オレはかなり疲れてる。 ちびから目を離せないし、自分の好きな遊びだって我慢してるんだよ。 オレの大好きな遊びは、夜母ちゃんが仕事から帰って「ぷは~」とうまそうに缶ビール飲んでる時にやるんだ。 缶の外側に水滴がついてるでしょ。 あれをね、缶をひっくり返さないようにして全部舐めるの。 母ちゃんが缶を口に持ってってる時にも伸び上がってしつこくやるの。 母ちゃんは晩酌を邪魔されて烈火の如く怒る。 その顔見るのが面白くてさ。    この頃忙しくてそれもやってないんだ。 人間で言うと「ストレス溜まってる」ってんでしょ。 母ちゃんはわかってくれている。 いろいろと欠点が多い人だけど、取り得は、多少の想像力働かすところかな。 「ぶん、大変だな、疲れたろ」って時々オレの頭を乱暴に撫でてくれるよ。 子猫に対しては、「きゃー可愛い」式の猫っ可愛がり(文字通りか)はしない。 子猫を拾ったのは「可愛いから」じゃなくて「放っておいたら死ぬから」なんだって。 だからウチのちびはよく母ちゃんに蹴飛ばされてる。 「邪魔だっ、どけっ」とか言われて。 それに、子猫よりオレの方をたててくれてるよ。 母ちゃんはあまり賢そうに見えないけど、もしかして策士なのかな。 猫同士仲良くさせるには、子猫をあまり珍重せず、オレに「そんな・・・もうちょっと可愛がってやればどうなの」と同情させ、2匹を近づけようとしているのか? う~ん、わからんね、オレには。   とにかく、オレは疲れたよ。 先日、母ちゃんのそばでうつらうつらしてる時、不覚にも「ふ~っ」と深いため息をついてしまった。 猫がため息なんて生意気だって? あのね、人間は何かというと「猫、猫」とバカにするけど、脳の構造は一番人間に近いんだよ。 ちょっと量が少ないけど・・・ 専売のアクビは言うに及ばず、クシャミも咳もオナラもため息もみ~んな人間と同じ理由で出るんだ。 さあ、それで母ちゃんが心配したのなんのって。 オレを抱き上げ、引っくり返して腹側の毛並みを見、「きゃー、ぶんがストレスで白髪になっちまった」と喚いた。 前述の通り、オレはまっくろ黒すけなんだけど、この頃腹側に白毛が何本か出た。 母ちゃんはオレにちびの面倒見させてる負い目があるから、「あ~、ぶんがストレスで病気になっちまったら、アタシのせいだ」と、久しぶりに落ち込んだ。     いったい全体、人間達は、何かというと「ストレス、ストレス」と騒ぐけど、その正体は何なの?  元来、生き物の体は皆、外界・環境の変化に応じて一定量のストレス(=あ、こりゃなんとかしなきゃならんと思うアセリのようなもの)を感じ、健康体であれば体がそのまま変化に順応できるよう、機能調節していくらしいんだ。 人間は必要以上にというか分不相応に余計な文明を発達させちゃったから、ストレスを受け取る場面もとてつもなく増えちゃったんだね。(自分が発明した機械に圧迫されたり、人間関係とやらに苦しめられたり) それでこの頃は肉体が感じ取るストレスの他に、心がその余分なヤツを引き受けるようになったんだって。 人間ってエライようでバカ。 猫なんか、わざわざ余計な用事こしらえて、苦しんだりしてないよ。 正直言って、このことは100年も前に夏目漱石さんという人間の中ではマシな出来の文豪が警告してるんだ。 漱石さんは、「ま、言ってもわかんないだろうなあ」と見通して死んじゃったんだけどね。   それにしても、人間は、ストレスって言葉を使いすぎないか? まるでストレスがあらゆる不調の免罪符みたいに聞こえるよ。 オレは、なにも精一杯やって調子悪くなった人間のことを言ってるんじゃない。 ストレスを自己弁護の材料にしてる輩(やから)が鼻につくんだよ。 自らを世界のリーダーだと勘違いしてるアメリカの財界人・映画スターその他著名人は、お抱えの精神科医を持っているのが「ステイタス・シンボル」なんだってさ。 ストレスを感じなきゃあ一流の人間じゃあないって。 これっておかしくないかい? まあ、日本人はなんでもかんでもアメリカさんがお手本で、悪いところまでありがたがって真似するから、仕方ないんだろうけどね。 聞くところによると、日本の元首相までアッチの歌手の物真似をしたそうだから。

21. 27 深窓の令嬢
母ちゃんの知り合いには、もちろん、犬猫を飼っている人が多い。 知り合ってから影響しあったのか、犬猫が好きだから気が合うようになったのか、判然としない。 だが、その中で圧倒的に多いのが、自らの子育てが一段落つき、子供と距離を置くようになった人々である。 家にいる時間が減ってきた息子・娘の代わりに、黙って愛情を受け止めてくれる動物たちは、なんともいとおしい存在なんだろうなあ。 (これは悪口ではない。 自然にそうなっていくんだろうと、母ちゃんもわきまえている) そして、その人達の飼っている動物のほとんどが、公園で拾われたり、処分の運命から救われたものである。     母ちゃん自身は、物心ついた頃にはもう家に動物がいた。 貧乏だったが、常時、犬、猫、鳥などが身の回りにいた。 犬猫はそこらへんで拾ってきた雑種で、与える食べ物は人間の残飯であった。 今とは違って栄養学なんて浸透していなかった時代だから、さぞ塩分の多いモノを食わせられたのであろう。 皆、長生きはできなかった。 でも、のんびりした時代であったから、彼らが自由に近所をほっつき歩いても誰も文句を言わなかった。      一度だけ、(少女時代の)母ちゃんがビックリしたことは、金持ちの友達の家に遊びに行って、その豪勢な居間のソファに「シャム猫」というお嬢様猫が鎮座されていたことである。 母ちゃんが飼っていた「駄猫」とは天地の相違、ゴールドの首輪をして歩き方までしずしずと上品であらせられたのだ。 ここに至って母ちゃんは、猫は拾うだけではなく、ペットショップ(当時は何と呼ばれていたか、忘れた)で高い金を出して買うこともあるんだ、と学習した。      それから幾十年かが過ぎ、母ちゃんにも多少の経済的余裕が出来たが、いまだにカネを払って動物を買ったことはない。 理由は二つある。 第一にペットショップに行くのが嫌だ。 狭いケージに入ってそこでひたすら飼い主の出現を待っている犬猫を見るのがつらい。 売れ残ったらどうなるのかを考えるのもつらい。 第二に、そんな所へ行くマもないうちに次々に捨て猫が持ち込まれる。 そしてその世話に忙殺される。        ってなワケで、オレは、貴種の猫とお近づきになることもなく、雑種仲間と気楽な毎日を過ごしている。 たまにはメインクーンやスコティッシュフォールドのお嬢様とお茶でも、と思わぬことはないが、チビやトメに知れたらコトだから、皆さん黙っててね。

22. 54 黒猫のタンゴ
先週、ある民放ラジオで、平日の夕方から昭和の歌大特集みたいな番組をやっていた。 その時々の流行歌と共に、昭和の時代のさまざまな出来事を、当時のニュース音声を再生して振り返ってみる企画である。     東京オリンピック、ビートルズ来日、人類初の月面着陸、浅間山荘事件、大阪万博、長嶋茂雄の引退、石油ショックなど、いろんな事があったなあ。 ピンクレディ、キャンディーズ、沢田研二、サザン、松田聖子、時代を代表するような歌手も沢山いたなあ。 単発だけど、「泳げ鯛焼きくん」のように面白悲しい歌、「黒猫のタンゴ」のようにひたすら可愛い歌もあった。   帰宅途中のクルマの中で、母ちゃんは懐かしい音声に我を忘れた。 母ちゃんが子供から大人になっていった時代と、昭和の高度経済成長期が一致しているから、よけい思い入れが深いんだろう。 もちろん不幸な出来事もあったけど、あの頃はみんなで乗り越えて頑張ることが出来た。 メリハリのある、躍動的な時代であった。 誰の歌も歌詞がハッキリしていて、メッセージをきっちり受け取ることが出来た。 今。 今はなんだろう。 なんだか先の見えない長くて薄暗いトンネルに入ったまま、みんな酸欠状態になっている。 そんな空気の中でうたう歌手の力量は昔よりずっと上がっているのだろうけど、歌詞がよくわからない。 何を言いたいのだかわからない。 これって、母ちゃんが歳をとった証なんだろうな。 オレ? オレはもちろん、「黒猫のタンゴ」が一押しだよ。 ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました

23. 23 容姿
身内が言うのもなんだけど、チビはかなりの美形である。 そりゃ怒るとリビア山猫みたいにこわい顔にもなるんだけど、普通にしていれば彫りの深い顔立ちの美しい猫である。 そこらを歩いている日本猫のように平べったい顔ではない。 また、くっきりと浮かび上がったトラ縞、つやつやした毛並みが惚れ惚れするほど見事だ。 だけど、拾われてきた時は、オレが「雑巾のきれっぱしみたいな猫」と評したように、救い難いほど汚い子猫だった。 それがウチに来てから見る見るうちにキレイな猫になっていったのである。 もっとも、オレが一生懸命毛づくろいしてやったし、ね。 エヘン。   一方トメは捨てられてすぐ母ちゃんに拾われたので、汚れてもいず、愛くるしい表情の、食べてしまいたいほど可愛い子猫だったのだ。 しかし、コイツは性格の凶暴さがだんだん顔に表れるようになって、今では憎たらしい面構えのあばずれ娘猫である。 おまけにコイツの毛並みはチビみたいなくっきりしたトラ縞ではなく、半端な縞がばら撒かれた、薄汚いハイエナ模様になってきた。   母ちゃんはトメが悪さをすると、「こらあ、このブスっ」とののしる。  「姉ちゃんは美人だし拾われた恩義をわきまえている立派な猫なのに。 オマエはブスのくせにそういうこともわかってないバカ猫だあ。 けしからん」 言葉がわかったら、家出をしそうな内容である。 だいたい、人間でも、親はけっして兄弟姉妹を比較して叱ってはならないそうだ。 必ずグレる。 猫だって、語調・語気で、何を言われているかだいたい分かるのである。 歳を経た猫ほどよく分かる。  「オマエのような悪い猫はウチに置けない。 出て行け」と冗談半分で叱ったら、そこのウチの猫が家出をしてしまった、という話はよくある。 もっとも今ではマンションの室内飼いも多く、出て行きたくてもいけないケースが多いかもしれない。   そんなわけで、トラとハイエナ、「義理の姉妹」2匹と一緒に暮らしているオレである。 オレは、何度も述べてきたように、母ちゃんに客があるたびに、愛嬌を振りまいて接待役を務めてきたわけなんだけど、このたび、そのお役をトメに譲らざるを得なくなった。 というのは、年末の「営業時」にオレが例の病気をし、チビの対人恐怖症がますます昂じ、オタオタしているところへ何組か客があり、トメが突如としてデビューしてしまったのである。 ヤツは弱りきってる我々を尻目に、体力に任せて、お客の前でチビ譲りのアクロバットを何十回も披露し、万雷の拍手を受けていた。 トメの特技はこれだけではない。 以前、「風太」というアライグマが後足で立って人気者になったが、トメも30秒以上後足で立っていられるのである。 これはかなり見ごたえがある。 ただし、いまだに他人には見せていないから、誰も信じてくれないかも知れない。 ヤツはぶさいくなので実力で勝負に出ようとしているのではないか、とオレはにらんでいる。

24. 88 ちび立場無し~
ぶん   あ。ちびが病院から帰ってきた。 とめ   姉貴、どうだった? ちび   ・・・(ぶす~)[不機嫌] 母ちゃん   ちびはね、カッコ悪くてしょうがないのさ。 ぶん   どうして? 母ちゃん   この前、ぶんが病院通いした時、ちびがヒドイことしたろ? とめ   ああ。兄貴が病院くさいのを、姉貴が怒ってシャーシャーやったね。 母ちゃん   あれは、ぶんがかわいそうだった。ぶんには何も罪が無いのに。 ぶん   オレ、本当に落ち込んだ。シャーシャー言われてもワケわかんなくて。 母ちゃん   だから、あの時のこと思うと、ちびは今回立場が無いんだよ。 とめ   なーるほど。姉貴は美人だけど、頭も性格も悪いからなあ。 母ちゃん   こら、とめ、こんな時にヒトを責めるんじゃないっ。 とめ   ゴメンナサイ。ところで、ねえやんはどこが悪いの? 母ちゃん   誰かに目を引っ掻かれて、バイキンが入って、顔じゅう腫れてる。 ぶん   ・・・・ とめ   ・・・・ 母ちゃん   私が引っ掻くわけないよね。オマエたちのどちらかがやったんだ。 とめ   あたい知らないよ。 ぶん   記憶にございません。 母ちゃん   二人とも、どっかの政治家みたいなこと言うんじゃないっ。 ぶん   だって、ちびは乱暴者だから、しょっちゅうオレたちをぶっ叩いているんだよ。こっちが正当防衛で何やったかなんてイチイチ覚えてないもん。 母ちゃん   ・・・・ちび、オマエの分が悪いようだねェ。 とめ   母ちゃんも監督責任とって辞任しろィ。 母ちゃん   こんのクソガキが~!     今日もまた家庭争議のタネを振りまくとめでした~。 ...

25. 史上最悪の猫
 物心ついて以来、私は身近に動物のいる環境で育った。とりわけ、猫が多かった。総計30匹以上にはなるだろう。皆、拾い猫やそれらが産んだ子ばかりである。その中で、今飼っているトメほど悪いヤツはいない。  「もう猫を拾うのはこれで最後」という意味をこめて名付けたこの猫、今まで飼った猫にはないキャラクターの集大成である。まず、頻繁に飼い主の布団やかばんにオシッコを垂れる。成猫になってもカーテンのぼりをやってぼろ雑巾状態にする。水を前足ですくって飲んで周囲に散らかす。飼い主に抱っこされると引っ掻いて逃げる。お客さんのアタマをかじる。    人間側の都合からすれば、こんなヤツ、捨てられても文句は言えないはずだ。それでもこんな名前をつけた私が悪いのかと我慢して飼っている。しかし、ヤツの側の意識としては、私に「飼われている」のではなく、私を「飼っている」つもりなのだろう。    トメによる被害総額は30万円近くになる。他の2匹の猫たちは、「母ちゃんのバカっ、お人よし~」という目線で私を見、それに耐える日々が続く。人間の子供を産み育てる苦労をしたことのない私は、これくらいの損害は仕方ないかとあきらめの境地に至り、毎日ため息をついているのである。   *画面左上の猫ブログバナーを押して投票してくださると嬉しいです♪

26. 86 とめはスポーツ評論家
ぶん   オリンピックの選手育成に国がどう関わるかが話題になってる。 ちび   ロシアや韓国は凄いらしい。母ちゃんの意見も聞いてみたいな。 ぶん   ダメダメ、あの人はオリンピック自体に関心ないもん。TV中継も見ないし。そもそもスポーツを見て楽しむって習慣がない。 とめ   ただの運動オンチなんじゃねーの。 ぶん   そうでもないみたい。スキー、水泳、登山、乗馬はやったらしいよ。 とめ   要するに一人でガシガシ前に進むのが好きなんだな。 ちび   オマエ、何か言いたいことがあるだろ? とめ   ある。母ちゃんは協調精神ゼロなんだ。だからバレーやバスケ、サッカーや野球みたいな球技は、さぞかし苦手だろうよ。 ぶん   ふ~ん。まあ、母ちゃんの日常生活を見ていればわかるけど・・・我儘だしなァ。でも、自分流にひとつのものに集中して努力する、ということはやってると思うよ。(苦しい弁護だなあ) とめ   まあ、その点、我々ネコ科に非常に近い生き物と言える。我々はイヌ科の動物と違って、集団で協力して狩をしたりしないからね。また、彼等は集団の中での順位が明確で、ボスや格上には逆らわないけど、我々は皆平等である。 ちび   とめ。オマエ、途中から評論家みたいな口調になってるよ。 ぶん   母ちゃんがオレたちに似てるっていうのは分かったよ。だけど、集団の中での順位云々説は、オマエ自身のことを擁護したいんじゃないの? とめ   うへっ。バレたか。 ちび   あたし、とめに一度でいいから、「お姉さま」って呼ばせてみたい。 ぶん   止めなよ。キモチ悪いじゃないか。今のままでいいんだよ。 ちび   兄貴はとめに甘いよ! 同じオンナのあたしの身にもなってごらん! 3匹  ぎゃーぎゃー、ボカスカ。 母ちゃん   うるさいっ。今何時だと思ってるんだ。午前2時だぞ。このバカ猫ども! ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ご覧になってからここをポチッと押して下さると嬉しいです。

27. 31 猫嫌いは猫好きになる! 
台風が近づいていると言うのに、母ちゃんがホクホクごきげん顔で帰宅した。  「ぶん、あのコ、無事に育ってるって!」 あのコとは、先日、母ちゃんが職場の敷地内で保護して、その後さる女性に引き取られた子猫のことだ。 目やに・かさぶたで顔を覆われた汚い子猫であったが、なんと、声をかけた最初のヒトが里親になってくれたのである。 母ちゃんは、脳髄がしびれて息が止まるくらい嬉しかった。 めったにない事だったから。 「その人に会えて、その後のことを聞けたんだよ」 と母ちゃんは興奮している。 「パパが猫嫌いなんだけど、私と娘で飼います」 とその女性は決然と言った。 その時、母ちゃんは、 「いや、猫嫌いを自称してるヒトほど、機会があれば、クラッと猫好きになります」 と断言したのだ。 過去の経験から言って、その確率は高い。 だが、物事には例外も付きものである。 それがココロに澱んで、母ちゃんは何日か落ち着かない日々を過ごしたのである。  「やっぱりね~。 アタシが言った通りになったよ」 そのお宅では、問題のパパが数日後には顔中を笑み崩して子猫の頭を撫でるようになり、可愛い・可愛いを連発するようになったんだそうだ。 やったね!   何でだろう。 里親をお願いする際、「家族に猫嫌いがいるから」というのはお断り理由の一つなんだけど、そのご本人、実際に子猫に接すると、めろめろにとろけてしまうケースが多い。 オレたち猫族の不思議なパワーだね。  この事については、次回でも述べたいと思います。  ぶんより

28. 「ある日の猫一家」その155   猫リンピック
とめ、パーフェクト・ジャンプか!? ちび(左) 「ダメ、基礎練習からやり直し!」 とめ(右) 「う・・・・」 とめ 「あ~ん。あたいだって、デートも遊びもしたいのにィ」 ぶん 「ちび、オマエ、厳しすぎるんじゃないの」 ちび 「何言ってるんだい。世界を目指すには、これでも甘いくらいだよ」 ぶん 「・・・・」    ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑ ご覧になってからここをポチッと押して下さると嬉しいです。

29. 70 平成猫シッポ会議中継
ぶん    ボクのシッポは短いダンゴシッポです。 ひくひく、としか動きません。 とめ     あたいは、けばけばの洗ってない絵筆みたいなシッポ。 ちび     あたしのはすんなり長いしなやかシッポ。 司会者  えー本日は、猫のシッポがどのような働きをしているかについて、皆さ んに検証していただく集いであります。 まずは、とめさん、何か? とめ     あたいは別に何も。 シッポで何かしようなんて考えたことないし。 ぶん    ボクは感受性豊かで、本当はいろいろシッポで表したいんだけど、何し ろ動かないもんだから、あきらめています。 とめ     何を表したいんだよ、えっ? ちゃっちゃと言いな、このボケなす。 司会者  あ、出場者同士の非難中傷は極力抑えていただきたいと・・・ ちび     んなコト言ったって無理だよ、司会者さん。科学は事実を土台にして 発展していくんだ。  司会者  はあ。 どうも・・・そう言われると。 ちび     ぶん兄さんはね、小刻みなシッポの動きで飼い主に訴えたいことが山ほ どあるんだけど、飼い主のオバハンが無頓着で困ってるんですよ。 司会者  それはどういう? ちび    そこにいるガラの悪い少女Tが原因です。 あたしだってね、飼い主にサ イン送ってますよ、毎日。 あたしのシッポ、長いから。 くねくね揺らして「ぴ っぴ、ぴっぴ。 母ちゃん、ぶん兄さんの我慢、限界に来てるよ~」とか。 「ぴっ ぴ、ぴっぴ。 アイツどうにかして~」とか。 ぶん     ちび、ボクのシッポがほとんど動かないから、代弁してくれてたの? ちび    どっちにしたって母ちゃんが鈍感だから何にもならないけどね。 司会者  ではお二方は、脳とシッポは直結・連動している、と。 ぶんちび そうです。 とめ     ケッ! 何だ何だ、黙って聞いていればいい気になりやがって! あた いのワルクチばっかりじゃねーか! 司会者  ま、まあ。 とめさん落ち着いて。 ...

30. 「ある日の猫一家」その79   ニャン権侵害
トメ: 「母ちゃんはアタイたちの写真を勝手にネットで使ってるんだよね? それって肖像権侵害。 行動起こそうよ」 ぶん&ちび: 「へえ~。 オマエ、新聞読んでちょっとは賢くなったんだあ」 直接行動: 母ちゃんのパソコンワークを妨害 間接行動: お客さんにチクる 「あのねえ、ウチの母ちゃんは・・・」 立てこもり作戦: 「賃上げ要求!→たまには上等のドライフード食わせろ! それまでコタツは占拠する」     ←ご覧になってからここをポチッと ←押して下さると嬉しいです。 ←ありがとうございました